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うことについての明確な定義がないということがあると思う。そうした中で、まず最初に世界の潮流をみることにしてみたい。

よきオンブズマンシップの原則が一体いかなるものであるのかということを解明することを目的として国際オンブズマン協会(IOI)の国際会議が行われている。そこで討議された内容のいくつかはIOIの細則の中に反映されている。IOIの投票権を持ったメンバーとなるメンバーシップはいかに決定していくのかといったことが入っている。

まず構造的な基準がある。まず独立性がなくてはいけないということがある。すなわち、オンブズマンが管轄権を行使する対象機関から独立しているということが重要である。オンブズマンは非政治的なものであってその仕事をするに必要なだけの十分な資質を持つということ。専門的な知識(professionalism)がオンブズマンには必要である。それをもって当該問題を処理する能力が出来てくるわけである。つまり、効率性も中に要素として入るし、はっきりとした断固たる対応をとることができるということや外交術も必要であろうし、十分な管轄権が約束されなくてはならない。又、プロフェッショナリズムをうたうということであるならば、当然ながら、事実を把握する事実認識の能力も持たなくてはならない、

もう一つ、よきオンブズマンたるために必要な条件としては、公に社会に受け入れられるということがある。そして、すべての市民がよきオンブズマンに対してアクセスをとれるというアクセシビリティ(accesibility)が確保されなくてはならない。すなわち、完全な形で、何ら排他条項的なものはなく、特別な形式的な手続きを踏まずにアクセスがとれなくてはならない。

また、オンブズマンに求められるいくつかの手続き要件がある。すなわち、積極的な役割を果たすこと、意見が分かれた場合に両者の意見に耳を傾けること、公正な意思決定をすること、意思決定をした場合には、それに対して十分な理に適った理由を挙げられること、また、自ら下した自分自身の決定を検討することといった能力がなくてはならない。オンブズマンであるからといって決して完壁ではない、決して誤りをしないというわけではない。しかし、オンブズマンとして踏む自らの手続きにおいては、公正さ(fairness)が約束されていなくてはならない。

IOIの前議長であったサー・ジョン・ロバートソンは、オンブズマンシップとして3つの本質的な特性を掲げた。まず独立性。オンブズマンが独立していなくてはいけない。それと同時に、手続き(process)に柔軟性(flexibility)がなくてはいけない。また、信頼性(credibility)も3番目の要件として挙げた。それは具体的に云うと、公正であるということ、すなわち、偏らない公正な見方をすること、また、問題に対する感受性(sensibility)を持つこと、高潔であること、一つの見方なり考え方なりにとらわれないこと、知的な理由を合理的な形で掲げることができること、そしてまた、こうしたいろいろな要件を満たせるかどうかというテストをくぐることによってオンブズマン自身の独立性及び柔軟性が強されるわけであるが、それを満たしたということによって信頼性が獲得できるわけである。これらの要件・要因によって、オンブズマンがあってもそれがただ単に名前だけのものかどうかということが判定できるということになる。

カナダのケベック州に私の友人でありオンブズマンであるダニエル・ジョコビー氏が

 

 

 

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